アパート屋上の遮熱防水塗装工事の見積もりを複数の塗装業者にお願いしました。
約120㎡で47万円~102万円。
いずれもウレタン塗装ですが、倍以上の差があります。
この見積もりの差は何なのか。
材料が違うのか、技術が違うのか、見積書から分かったことを記事にしました。
これから防水塗装工事を行う方の参考になれば幸いです。
目次
アパート屋上の遮熱防水塗装工事の見積もりと内容
自分で屋上の面積を測ったところ約120㎡ありました。
なお、アパートは鉄筋コンクリート造陸屋根高床式3階建(実質4階建)です。
屋上は階段で直接アプローチできます。
今回、防水塗装工事の見積もりを4社にお願いしました。
見積もり依頼の順にA社、B社、C社、D社とします。
4社ともにウレタン塗装による密着工法です。
ウレタン密着工法は直接アパート屋上のコンクリート面にウレタン防水材を塗装していく工法で、比較的安価に仕上げることができます。
工法の手順としては以下の5工程が一般的。
- 塗装面の高圧洗浄
- 下地補修・調整(場合によっては下地調整剤塗布)
- プライマー塗布
- 中塗り×2回塗布
- トップコート×1回塗布
今回の見積もりでは、使用する材料として
A社・B社・C社がサラセーヌ(AGCポリマー建材株式会社)、D社がプルーフロン(日本特殊塗料株式会社)になります。
アパート屋上防水塗装工事の各社の見積もり比較表
では見積もりの比較を見ていきましょう。
なお、赤字は各工程の最安値です。
項目 | A社 | B社 | C社 | D社 |
材料 | サラセーヌ | サラセーヌ | サラセーヌ | プルーフロン |
数量 | 115㎡ | 116㎡ | 93㎡ | 124㎡ |
工事金額合計 | 473,660円 | 650,000円 | 1,027,428円 | 500,000円 |
高圧洗浄 | 20,000円 | 23,200円 | 27,900円 | 12,400円 |
下地調整・補修 | 84,000円 | 99,800円 | 205,125円 | 95,000円 |
プライマー | 40,000円 | 69,600円 | 120,900円 | 37,200円 |
中塗り1回目 | 94,000円 | 127,600円 | 189,720円 | 62,000円 |
中塗り2回目 | 94,000円 | 127,600円 | 189,720円 | 99,200円 |
トップコート | 53,600円 | 150,800円 | 150,660円 | 148,800円 |
諸経費 | 45,000円 | 50,000円 | 50,000円 | 31,822円 |
小計 | 430,600円 | 648,600円 | 934,025円 | 486,422円 |
消費税 | 43,060円 | 64,860円 | 93,403円 | 48,643円 |
値引き | なし | -63,460円 | なし | -35,065円 |
合計 | 473,600円 | 650,000円 | 1,027,428円 | 500,000円 |
㎡あたり単価 | 4,118円/㎡ | 5,603円/㎡ | 11,048円/㎡ | 4,032円/㎡ |
数量が各社で異なるところが気になりますが、計測の仕方が若干異なるからでしょうか。
アパート屋上の防水塗装工事の比較から分かったこと
4社の見積もり比較から120㎡の屋上の防水塗装の相場は概ね50万円~60万円程度ではないかと思われます。
㎡単価に換算すると4,000円/㎡から6,000円/㎡程度。
各工程の工事金額目安としては以下のとおり。
- 塗装面の高圧洗浄:2万円程度
- 下地補修・調整:10万円程度
- プライマー塗布:4~7万円
- 中塗り1回目:10万円程度
- 中塗り2回目:10万円程度
- トップコート:14万円程度
- 諸経費:5万円程度
合計で55~58万円になります。
A社もしくはD社が金額的には良さそうです。
丁寧に仕上げてくれるか、アパート入居者への対応等もポイントとなるので、業者の評判も加味しながら発注先を決めたいと思います。
複数の業者に見積もりをお願いして分かったこと
当然ですが業者によって対応が異なりました。
現場でおおよその金額を教えてもらえるものと思っていましたが、そうではない業者もいました。
工事金額が独り歩きするのを恐れているのかもしれません。
A社:電話で見積もり依頼。数日後に代表者自ら現場確認。その場でおおよその工事金額を説明。自社の職人で工事を行っている様子でした。数日後に見積書がメールにて届きました。現場での対応がとてもよかったのですが、メールや電話でのやり取りは遅れがちだったのは残念です。代表者自ら現場に出ている様子なのできっとお忙しいのでしょう。
B社:電話したらその日のうちに現場確認。ここの業者も代表者自ら現場へ。とても丁寧に状況を説明。近所の施工事例も教えてくれました。対応がよく好印象。どうやら現場が詰まっているようで、発注しても施工は数か月先とのこと。
C社:インターネットにて見積もりを依頼したところ、翌日に電話連絡がありました。電話対応が丁寧。従業員2名にて現場確認。屋上の状況についても丁寧に説明。見積書も現場写真を含め、しっかりしたものを作成してくれました。
D社:インターネットにて見積もりを依頼。3日後に電話連絡がありました。それから一週間後に現場確認。従業員2人で来てくれました。一人が営業担当、もう一人が計測担当で黙々と面積を測っていました。色々質問しましたが、返答があいまい。工事金額の概算も即答してくれませんでした。
アパート屋上の遮熱防水塗装工事のDIYもアリ(でも大変)
だいぶ前になりますが、とある不動産業者の社長さんのお手伝いで、その社長さんの所有するアパートの屋上防水塗装を行いました。
ここでの経験が見積もりを取るうえでとても役に立ちました。
実際に社長さんと防水塗装を行って分かったのはDIYも全然ありということ。
ただしかなり大変です。
当初の私の認識は、「高圧洗浄してプライマーを塗って2液混合の塗料を塗ればいいんでしょ?」くらいな簡単なものでした。
しかし実際には違います。
プライマーは乾きが早いのでさっと塗らなければ均一に塗れないし、プライマーのシンナーは臭いし、2液型のプルーフロンはのんびり塗っているとすぐに硬くなってくるし、とにかく丁寧さかつスピードが求められます。
作業の後半、だんだん疲れてきたのでトップコートの主剤と硬化剤の撹拌がおろそかになり、塗布後も硬化しないという大失敗をやらかしました。
2度手間です。
手はべちゃべちゃになるし、ズボンにも防水材がついてべたべたするし、後片付けも大変。
ですが、材料費だけで施工できたので相場の1/3程度の出費で屋上の防水塗装工事を済ませることができました。
もし、DIYで屋上の防水塗装工事にチャレンジしてみようと思っている方は、事前に工程を確認し、注意点をしっかり頭に叩き込んで作業に取り掛かることをお勧めします。
おわりに
今回、アパート屋上の防水塗装工事の見積もりを取ってみましたが、塗装業者によって見積額が大きく異なるのにはびっくりしました。
見積額が高いから悪い塗装業者というわけではなく、はやり丁寧で説明も上手です。資料が整っています。専門のスタッフを雇っているのでしょう。会社の規模も大きいのでトラブルがあった場合でも真摯に対応してくれそうです。手放しで安心して任せられますね。
見積額が比較的安価な塗装業者は代表者が直接対応してくれる場合が多いようです。質問にもすぐに答えてくれますし、説明が技術的・現場的で分かりやすいです。
それぞれ一長一短ありますね。
アパートの他の塗装を考えると外壁塗装工事や、階段廊下の防水塗装工事もあります。
将来にわたってお付き合いできる塗装業者選びをしたいものです。