今回は水道トラブルのお話です。
とある日の真夜中、知人宅の水が出なくなってしまいました。
日中だったら水道業者を呼べるのですが、なにせ真夜中。
知人から「水が出なくなった。めちゃくちゃ困ってるから早く来て!」と電話口で頼まれ、しぶしぶ一緒に原因究明することになりました。
室内外をあちこち確認した結果、屋上の貯水タンクが空になっていることが判明。
原因はボールタップ(タンクの水の量を調整している部品)の動作不良で、給水量が需要に追い付いていない状態でした。
原因が判明したので応急処置で何とか水が出る状態まで復旧し、翌日水道業者に修繕を依頼して何とか水道トラブルを乗り切ることができました。
知人と同じように水道から水が出なくて困っている方は少なからずいらっしゃると思います。
そういう方の参考になればと思い、思いつく限りの原因と対処法をまとめてみました。
水道業者到着までの参考になれば幸いです。
(本ページを参考に作業をされる場合は自己責任でお願いしますm(_ _)m)
目次
水道から水が出ないときの主な原因
水が出ないときの主な原因
水が出ないときは
- 地域の断水
- 建物メンテナンスに伴う断水
- 水道の閉栓
- 設備トラブル
などが考えられます。
上記1と2は事前通知があるのでしっかり確認しましょう。
通知に覚えがなければ、水道局や建物の管理者に聞いてみましょう。
3の水道の閉栓は元栓が閉まった場合です。
誰かがうっかり閉めてしまったり、よっぽど水道料金を滞納してしまったかもしれません。
4の設備トラブルは突然やってくるので厄介です。
設備トラブルについて掘り下げていきましょう。
設備トラブルの場合の原因の探り方
水道の設備トラブルって大変ですよね。
水が出ないと不便ですし、水漏れなら水道料金もどんどん上がりますし。
早めの原因特定と対策が必要です。
原因の探り方のポイントとしては状況を整理し、全体の様子を確認しつつ、水が出ないところから上流に向かって順に原因をつぶしていくこと。
なお、水が出なくなった状況の整理は案外重要です。
ある程度原因を推定することができます。
突然水が出なくなった:水道管の大きな破損・外れ、揚水モーターがあればその故障
数日かけて出なくなった:水道管の破損の拡大・詰まりの悪化
水は出るけど水圧が弱い:水道管の小さな破損・詰まり
では原因の探り方を具体的に見ていきましょう。
事例:戸建(貯水タンクなし)で2階のトイレ・洗面台の水が突然出なくなった
具体的な探り方として、例えば貯水タンクのない戸建の2階のトイレと洗面台の水が突然出なくなった場合で見ていきましょう。
貯水タンクのない建物ですので、公共の水道から直結で給水されています。
今回は複数の箇所から突然水が出なくなったので水道管の破損を疑いつつ、調べていきます。
①他の蛇口の状況をチェック
→1階は若干水が出るが、2階は出ない(水圧低下が認められる)
②建物の蛇口を全て閉めた状態で本メーターをチェック
→回っていることを確認(どこかで水漏れが起きている)
③建物の周辺の排水口を確認しつつ、建物を一周
→建物の裏手のボイラー脇水道管が破損しているのを発見
こうして水道管の破裂損にたどり着きました。
手持ちのビニルテープで応急処置をして後は業者に修繕を依頼すればOK。
設備トラブル別の水道から水が出ないときの原因別の応急処置
設備トラブルで水道から水が出なくなったときの原因別の対処法と応急処置をまとめました。
水栓金具のハンドルが空回り
ハンドル内部の部品が破損している可能性大。
時々あります。
蛇口を強く締めすぎるとハンドル内のスピンドルとハンドルとを連結部分が破損することがあります。
ハンドルを交換すれば直ります。
水道業者にお願いすると楽ですが、ホームセンターでも販売されているのでDIYで交換可能です。
水栓金具で詰まり発生
水栓金具を分解して内部の異物を除去します。
異物は流路が狭くなっているところ、例えば水栓コマの周辺に詰まっていることが多いです。
なのでハンドル付近を分解して内部を掃除しましょう。
注意点は作業前に必ず水道の元栓を閉めること。
開けっぱなしだとスピンドルを外した瞬間に水が噴き出し、びしょ濡れになります。
それでも問題が解決しないなら水栓金具の交換が必要になりますので水道業者にお願いしましょう。
水道管の詰まり
水道管に詰まりが発生すると復旧は困難です。
水道業者に水道管を交換してもらいましょう。
詰まりは、外部からの異物混入か、水道管内の付着物の剥落が考えられますが、外部からの異物混入は稀。
鉄の水道管の場合は管内部の付着物(サビ)が剥落して詰まったと考えてほぼ間違いないです。
古くなった鉄の水道管の内部はひどいものですよ↓
水道管の小さな破損
水道業者に修繕をお願いすることになりますが、応急処置可能です。
元栓を閉めてからテープ等で巻いてみます。
ビニルテープでぐるぐる巻きにした状態↓
防水テープで止水した後、パテで補強した状態↓
水道管の大きな破損
水道業者の修繕が必要です。
元栓を閉めて水道業者の到着を待ちましょう。
水の使用が必要な場合は応急処置(元栓を閉めてテープ等を巻く)を試みますが、ダメならダダ漏れ状態で水道を使うことになります。
水道料金の請求が怖いですよ~。
余談ですが、稀に見えないところで水道管が破損していることがあります。
蛇口を全部閉めたけど、水道メーターがガンガン回っている。。。
そのようなときは水道業者を呼びましょう。
音を頼りに場所を特定して水道管を交換している様子↓
上記写真の事例では右上の壁内部から水の流れる音がしました。
屋上タンクのボールタップが不調
屋上タンクのボールタップが不調で、タンクに給水できず、タンクの水が空になることがあります。
水道業者にボールタップを交換してもらいましょう。
どうしても給水したい場合は、荒業ですが、試しにボールタップの根元を叩いてみてください。
不良の原因は異物混入であることが多いので、内部の異物が出てきたら水量が復活します。
ただし、タンクは高所にありますので足場が不安定な場合は作業をおすすめしません。
揚水ポンプの故障
受水タンクから屋上の貯水タンクに水を上げるための揚水ポンプが設置されていることがあります。
この揚水ポンプが故障すると屋上タンクに水を給水することができなくなって、断水します。
揚水ポンプがあるような建物の場合、集合住宅(アパート・マンション)でしょうから、ポンプが故障すると多くの方に影響します。
なんとしても応急処置したいものです。
応急的に屋上の貯水タンクに給水するためには2つのポイントがあります。
①ポンプ(モーター)が2基ある場合
自動交互運転制御です。
2基のポンプが交互に作動して揚水するタイプなので、一方のポンプが生きていれば給水することができます。
この場合はポンプ脇にある制御盤のポンプ設定を『自交』から壊れていない方のポンプに設定変更します。
②バイパスがある場合
屋上の貯水タンクまでそれほど高さがない場合、ポンプ故障に備えて受水タンクを経由せずに、直結で屋上の貯水タンクに給水するバイパスが設置されている場合があります。
バイパスのバルブを開・閉することで受水タンクを経由せずに屋上の貯水タンクに給水することができます。
ただし公共の水道管の水圧で上げるので、高低差が大きい場合は給水量は少なくなります。
なお、いずれの場合もアパートやマンションなどの管理者がいる場合は管理者に問い合わせましょう。
終わりに
水道の水が出なくなると普段、何気なく使っている水道のありがたみを感じます。
突然やってくる水道トラブルですが、原因と応急処置方法が分かればそれほど怖いものではありません。
なお、作業をする際には安全に十分留意して行いましょう。
急いで水を使う予定がなければ水道業者にまかせるのが一番です。