沖縄県北部、羽地内海に位置する仲尾次漁港の軽石漂着を紹介します。
仲尾次漁港は羽地大川河口の東岸にあり、チヌ(ミナイクロダイ)の絶好のポイントとなっています。
現地確認をした当日(2021年10月31日)は漁港の約4分の3が浮遊する軽石で埋め尽くされていました。
また羽地大川の河口付近も軽石でびっしり埋め尽くされており、陸地と海の境界があいまいなほど。
目次
沖縄県北部に漂着した軽石の様子(写真)
仲尾次漁港内
羽地大川河口付近
河口から約150m沖合まで軽石でびっしり。
河口も軽石だらけ。どこが陸かわからないので危険ですね。
海と軽石の境目
軽石の拡大写真
サイズは5mmから50mm程度。
火山礫サイズの軽石です。
軽石はどこからもたらされたのか?
沖縄県に漂着した軽石は1,000km以上離れた小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)の噴出物とされています。
詳しい位置をgoogle マップで見てみましょう。
福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)はフィリピン海プレート上に位置し、小笠原諸島からマリアナ諸島に至る島弧の一部を構成しているようです。
フィリピン海プレートの下側に太平洋プレートが沈み込んでいる場所ですね。
昔、高校地学で習った島弧海溝系火山のひとつでしょうか。
福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)の過去の状況や現地の写真については海上保安庁のページにて詳しく紹介されています。
1904年からの活動記録が紹介されており、時折火山活動を繰り返してきたことが分かります。
軽石はどこにいくのか?
JAMSTECより10月28日に『海流予測モデルを利用した軽石漂流予測シミュレーション』が公開されています。
福徳岡ノ場周辺100kmに粒子10000個をばらまいて、JAMSTEC/APLの海洋予測モデルJCOPE2Mで11月末まで漂流させたシミュレーションとのこと。
軽石が噴出後、沖縄方面、小笠原方面の2方向に分岐し、その後海流に沿って九州、四国、関東地方へと及ぶ予測が分かりますね。
おわりに
今回の軽石騒動は船舶の運航停止や漁業、養殖いかだ等の影響が出ており、今後の経済活動が心配です。
また軽石は海面の表層に薄く漂っていますが、光を通しづらいため海中および海底への太陽光を遮断しています。生態系にも大きな影響を与えているかもしれません。
海を漂っている軽石はいずれ陸に漂着します。
大きな影響がでないことを祈るばかりです。
(11/9追記)
高知県や鹿児島県の沿岸でも確認されています。
関東方面への影響は11月下旬との報道もあり、ますます被害が拡大しそうです。